キーリングで爪を痛めてきた人類への救済 Orbitkey Ring v2がとんでもないぞという話 | docketstore

BLOG

2022/11/18 16:50


まだ進化できたのか!!

新しい発想で生まれたアイテムに触れた時。

思わずそんな言葉を口にしてしまう瞬間が、お店をしていると年に数回ある。

それはこの仕事の醍醐味といってもいい瞬間だし、逆に言えばそんな商品ばかり見つかればいいのだけど、なかなか簡単には出会えない。

しかしながら今回ご紹介したいアイテムはすごい。
すでに一度驚かされたことがある分野で、同じメーカーが出してきたアイテムにもう一度驚かされることになったのだ。

しかもその分野が「キーリングに鍵を通す時に爪を傷つけないための道具」という分野で二度驚かされたというのだから本当にすごい。
ほら。誰もが経験したことがあると思う。

こういう昔ながらのキーリングで

こういう隙間を広げて鍵を通そうとした時に、爪で押し広げようとして爪が傷つくことがあるじゃないですか。
あれを同じ会社が何年も問題と感じていて、新しい方法を編み出してきちんと商品にしたというだけでもうやばい。

そんなわけで今回はそんな分野に二度目の革新を起こしたアイテム「Orbitkey Ring v2」をご紹介させていただきたいと思う。

一度目の革新、そしてさらなる二度目の革新

思えば一度目の革新の時点ですごかった。
上の画像のタイプがバージョンワンとして今も販売されているOrbitkey Ring v1なのだけど、パット見ただけだとどうやって使うのかすらわからない。
ちょっとした知恵の輪感覚でお客様にチャレンジしてもらっていたのを思い出す。

Orbitkey社公式のYouTubeを見てもらえれば少しわかりやすいかもしれない。
基本的には内側のグレーの部分が、外側のシルバーのリングの内部をぐるっと半周するまで回転することで隙間が開くという、これまた言葉だけでは全然伝えきれていない感じがする構造をしている。

ただ、このタイプは回転させるために掴むところが小さくて握力の調子によっては難易度があがったり、素材にプラスチック系を使っていることから耐久面で少し弱いところもあり、面白いのだけどむむむというところもあった。

それでも革新的なことには間違いなく、ああ、人類はキーリングから爪を守るためにこんなにも叡智を絞ることができるのだと感動したアイテムでもある。

そんな革新的なキーリングを生み出したOrbitkey社からなんとバージョン2が発表されたときには驚いた。
しかも前回の構造とは全く違うアプローチで取り組んでいるのだから驚き続けるしかない。

さてその新たなアプローチは、これまた動画を御覧いただきながらご説明させていただくのがわかりやすいように思う。
ただ、動画を見てもどういう原理でリングが開き、また閉じることができるのかが発表当時は全然理解することが出来なかった。

実際にObitkey Ring v2を手にしてようやくわかったのが、この構造は隙間の空いたリング部分と、特徴的な金属パーツ(緑色で表現している)の2つが組み合わさることで、とても原始的な力を使って構造を作り出していたということだ。

この金属パーツ(緑色)の内部構造はざっくりと書くとこのような形状をしている。
貫通するように穴が空いている部分と、ロック時に動き回ってしまわないように、少しだけくぼみが掘られた部分。
そして穴とくぼみの間には、すこしだけでっぱりがついている。

ロックを外す時は、金具パーツをくるっと回して内側に入れて、外に向かって押し出してやる。
この時、リングパーツには内側から「広げる」ようにして力がかかり、金具パーツの適度なでっぱりの通過を許す。
金具パーツの中間の出っぱり部分が無事通過すると、リングパーツは貫通された部分に到達。金具パーツはリング部分を自由にスイスイと移動できるようになる。

金具パーツをズラした状態

そして、ロック状態に戻したい時はまた同じようにひっくり返す形で内側から金具パーツを押し出すようにしてやればいい。

おもしろいのは、金具を外から中へと押し込もうとしたときには、リングは「閉じる」方向に力が働くという点だ。
これによって、鞄の中で不意に力がかかった時にロックが外れてしまうということも、内側から押すという力のかけ方をしなければならないという条件故に起こりにくい。

ここまでの説明がよくわからないという方はもう、「爪が痛くならないリングが爆誕した」ことと、「内側から金具を押したときだけロックのON・OFFができる不思議な道具がある」ことだけ覚えておいていただければ間違いない。

仕組みの分だけボッテリした感じになることもなく、美しく細身なデザイン。
そして前モデルよりもシンプルな構造で、かつステンレス・スチールを採用することでタフさもアップした使い勝手。

なかなかこれがオススメと言い切れるキーリングってなかったけれど、ここにようやく推しキーリングが誕生したことをご報告いたします。
ぜひ気になる方はその使い勝手を試していただければ幸いです。