2021/07/04 09:44
「リュックの取り扱いがなくなって残念です
そう言われるようになって久しい。
過去に取り扱っていたバッグが、取引先の判断で輸入をやめてしまったため、人気商品だったものの泣く泣く販売を終了。
じゃあ、他の会社から取り寄せればいいじゃないかと言われてしまえばそれまでなんだけど、生半可なものを取り扱ってもお客様は納得してくださらない。
これはどうかあれはどうかと候補はあがるものの、なかなかに「これ!」と言えるものがみつからないまま1年ほどが過ぎてしまった。
でもようやく満足のいくものをみつけた。
見かけはスタンダードなリュックそのもの。
なんでこれをすすめるの?と思われるかもしれないけれど、そんな方こそぜひ詳しく知ってほしいと思える「THE DAY PACK」を今回はご紹介したい。
リュックの中身のごちゃつきを解消するための構造
リュックを使ったことのある人であれば、だれもが悩まされるのが「リュックの中身がごっちゃごちゃになっちゃう問題」
肩からかけられて、たくさんのものを持ち運べるリュックは、いろんなものを入れて使っているうちに振動で中身がごちゃごちゃに。
更には下の方には物がたまっているけれど、上の方はすっかすかという偏りも当たり前のように発生してしまう。
その問題に対してTHE DAY PACKは、荷室と呼ばれるリュックの収納スペースを上・中・下段の3層構造にすることで解決を図っている。
すぐにアクセスしやすく上着や文庫本を収納できる高さを想定して作られた上段スペース。
財布やペンケース、手帳などを入れることを想定した中段スペース。
底面のため安定していて、ハンドタオルやポケットティッシュ、ペットボトルなどを収納するために高さを低めに設定した下段スペース。
そして、A4書類やノートパソコン、タブレットを入れられる背面スペースまで別れており、「THE DAY PACK」の名前の通り、1日持ち歩いて必要なものを分けて持ち運べるような工夫がなされている。
その工夫がパット見て気づかないのは、中断と下段のスペースがよくある前面の小さなポケットのような自然さであしらわれているからということにもこだわりを感じる。
THE DAY PACKをリリースした「THE」というブランドは、世の中の定番を新たに生み出し、これからの「THE」をつくっていくこと。世の中の定番と呼ばれるモノの基準値を引き上げていくことを目標にされている。
いかにもギミックをしかけた未来のカバン!という形ではなく、パット見た瞬間「どこでも見かけるリュック」にしか見えないというのも偶然ではないのだろう。
おかげで「いかにもこだわってます」という雰囲気なく、自然に毎日持ち歩けるリュックにもしっかり仕上がっている。
更に細かいところに仕込まれたギミックたち
他にもTHE DAY PACKには驚かされる部分があった。
中でも一番驚いたのが、肩がけ部分のギミックだ。
サングラスやメガネを引っ掛けられる工夫がされているのには比較的すぐに気づくことができたのだけど、ちょっと予想してなかったところにポケットがついていた。
そう。交通系のICカードなどが入れられるジャストサイズなポケットが、右と左の肩がけ部分に搭載されているのである。
駅の改札でわざわざ財布を取り出すことなく、さっと取り出して使用するなど、キャッシュレスでの決済等が当たり前になりつつ今の時代ならではの利便性が感じられる工夫となっている。
現代に即しているという部分では、背面部分のPCなどが収まる収納もまさにそうだと言える。
リモートワークなど、もはや仕事の必須アイテムとなっているノートパソコンやタブレット、一番オフィスで活躍するA4サイズの書類など、リュックの中に混ぜずに分離し、重心的にも安定しやすい背中の近くに配置できるのは、もはやリュックに求められる定番機能でもあると思う。
「ふつう」というものは、「普遍」とちがって世の中の常識によってゆるやかに形を変えていくものだときいたことがあるけれど、THE DAY PACKは現代の「ふつう」にあわせたアップデートがしっかりとなされているなと感じる。
老舗故にこだわられたディテール
今回「THE」ブランドとコラボレーションをしてバッグの製造を行っているのはEASTPAK®という創業時から米国陸軍のダッフルバッグを製造してきたメーカー。中でもPADDED PAK’Rというモデルは、1976年の発売から40年以上愛されてきた不朽の名作であり、今回のTHE DAY PACKにももちろん強い影響を与えている。
その背景故に、THE DAY PACKのクオリティも日々持ち歩くのにオススメできるしっかりとした品質が見て取れる。
肩がけの部分はこのようにしっかり肉厚で、ノートパソコンなどの重い荷物を入れた際にも1日しっかり行動できるように配慮がされている。
また、リュック上部の持ち手も、握り心地のよいグリップがきちんと配置されている。
1日の中の気温変化で大きめの上着を収めることも想定して、上段、中断、下段はチャックで簡単に繋げられる状態にも変更可能になっている。
リュックそのものの生地には、EASTPAK®社が30年保証を掲げるほどの耐久性を誇るPADDED PAK’Rと同じナイロンを採用。
裏面の樹脂コーディングもされているので、丈夫で、表面には撥水加工を施しているため、小雨程度なら中身を濡らす心配もない。
新しいふつうのリュックと日常を
パット見ただけだと、その能力が伝わらない「THE DAY PACK」
公式HPでも情報がそこまで多くなかったので、仕入れようか迷ってきたけれど、実際に手にしてみるとこんなに丁度いいリュックはないなと納得することができた。
メイン収納スペースの前につけられていた収納スペースが無くなったことで、リュック全体も薄くスマートなスタイリングになっていたり、上中下の仕分け構造が全体の強度を骨組みのようにあげてくれているなど、工夫点は枚挙にいとまがないけれど、このリュックで感じた魅力は十分に言葉にできたと思っている。
ぜひぜひ日々の相棒選びに悩んでいるようであれば試してもらいたいと思う。