開閉の構造まで美しいミニマルな貼箱 『一新堂 ドキュメントケース』の話 | docketstore

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2020/11/14 09:23

「これからドイツに行くのですが、おすすめの文房具屋さんはありませんか?」

そんな限りなく抽象的で、知らんがなと言われてもおかしくない失礼な質問をしたことがある。
質問のお相手は総合情報サイトALL aboutでステーショナリーのガイドをされていた文具ディレクターの土橋 正(つちはし ただし)さん。
大学生の頃、文房具にどっぷりハマり始めていた頃の勢いで失礼極まりない質問をしてしまった私にも、土橋さんは優しく、わかる限りのドイツの文具情報を教えてくださったことは忘れられない。

それから10年以上の月日が経ち、文具屋さんになった今でも土橋さんは私の憧れ。
文具ウェブメディア pen-infoで発信される情報はいつも新鮮で貪るように読んでいる。
そんな土橋さんが「ドケットストアさんに合うアイテム」と感じたと言ってコメントをくださった箱がある。

なにせ文房具よりも収納箱を仕入れまくっているうちのお店に、尊敬する大先輩から推奨された箱とあっては手にとってみずにはいられない。
ちなみに、この箱。
まだメーカーでも通販をされていないためにサンプルを手に取ることができなかった。
それでも、商品の説明を読むうちに間違いなくうちのお店に合う箱だなと確信したために仕入れることを決めた。

今回はそんな素敵な箱。
一新堂さんのDOCUMENT CASE(ドキュメントケース)をご紹介したい。

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マグネットのみで成立させた構造のシンプルさ

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この一新堂のドキュメントケースを語る上では、マグネットの役割の説明が欠かせない。

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シンプルなこのケースを広げてしまうと上の写真のようにフラットになってしまう。
この状態から、ケースにしていく時の構造とマグネットの音や感触がたまらないのでぜひ下の動画をみてほしい。

組み立てるのには少し慣れがいる。
けれど慣れてしまえばその感触は癖になる。
留め具もヒンジも存在しないのっぺりとした板が、シンプルな箱の形に変形していくというだけで箱好きかつシンプルなものが好きな自分としてはたまらない。

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マグネットでつけ外しできる構造によって、中身を取り出すときに開くフタを狭い方と広い方から選べるというのも魅力のひとつだ。
中にいれるものにあわせて取り出しやすい方から開けられることは、これまで出会ったことがない感覚で使用できるのでとても嬉しい。
取り出しやすく、開閉もマグネットの感触が楽しいことで、蓋を開けることが苦にならないことは書類ケースに意外と要望としてあがることなので、このドキュメントケースはその点をクリアしてるのがすごくよい。
必要であればどちらのフタも外して開ききってしまうこともできるので、渡しの場合これまでのケースとは全く違う発想で使いみちがみつからないかなと色々試し始めている。

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ロゴや商品名も凹みだけや白色で控えめに入れられているので、統一感をもって気持ちよくつかうことができるところも、ミニマルなデザインに落とし込むための配慮に満ちていてとても満足度が高い。

使い方が思い膨らむ2つの素材と4つのサイズ

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このシンプルな構造のドキュメントケースは、素材とサイズ展開もいい感じに仕上がっている。

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しっとりとした革を思わせるクロス貼りのタイプは4色展開。
どれも落ち着いたカラーリングで、インテリアにも馴染むし、ビジネスの場でも違和感がない仕上がりになっている。
クロス貼りにすることによって、強度も保たれているので、かばんに入れて持ち運ぶのであれば、クロス貼りのタイプがおすすめできる。

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一方、3冊セットでクロス貼り1個と同じ価格設定がされているチップボールタイプも見逃せない。
こちらは、クロス貼りの内部にも使用されているチップボールを用いて作られていて、強度こそそこまでないけれど、屋内で使うにはリーズナブルでぴったりだ。
事務所のデスクや棚でプロジェクトごとに使用するなど、まとめ買いして並べた時の美しさも含めておすすめできる。

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サイズに関してはA4サイズが収まる縦横の長さは固定で、厚みに4種類のバリエーションをもたせている。

15mm、30mm、45mm、60mmと15mm刻みでのサイズ展開となっている(チップボールのみ15mmなし)のだけど、これがなかなか使い分けするのにも意味があるバリエーションとなっている。

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15mmのタイプは商品名の通りのドキュメントケース。
とにかく薄いので、クリアホルダーに入れた書類を持ち運ぶのにとても重宝する。
そこまで大量の資料は持ち運べないけれど、カバンの中でも場所を取らずにすっと入り込みつつ書類を守ってくれるので、役に立つ場面は多くありそうだ。

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30mmはお道具箱としての持ち運びにぴったりなように感じられる。
ペンケースやA5サイズのノートやスケジュールなど、ちょっとした仕事道具をまとめておいて、運ぶのに最適だ。
ただ、書類と道具を一緒に入れるのにはそこまで余裕がないので、書類と道具を一緒に運ぶのであれば45mmにサイズアップしたほうが余裕が出てくると思う。
もしくは15mmと30mmをあわせて使うことも選択肢としては悪くない。

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60mmともなると正直かなり大きい。
カバンに入れて持ち運ぶのはちょっとしんどいかもしれない。

個人的にはチップボールタイプを使って、プロジェクトごとに使用した書類を溜めて置くためのケースとするのがいいように思う。
チップボールタイプをオフィスの棚にズラッと並べるのはこれまでにないぐらいシンプルで出しゃばらない感じがしてとてもいいと思う。

ただ、クロス貼りタイプの60mmも用途によってめちゃくちゃ役に立つと思う。
なんせA4サイズぐらいのモジュール的につかえて、ちょっとした小物や下着なんかも入れられるので、スーツケースの中を仕切ったり、充電器等のどっかに行きがちな小物がいつのまにかどこかに旅立たないように管理するのはとても便利だし、気持ちいい。

全ラインナップの取り扱いをはじめました

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まだ、生まれたばかりの一新堂さんのドキュメントケース。
こんなに魅力的なのに、一新堂さんでも通販がスタートしていないということだったので、DOCKET STOREで全ラインナップをいち早く販売させていただくことになりました。

まだほとんどの人が知らない素敵な箱に出会って、触って、その魅力を紹介しながら販売できるのは文具屋冥利につきます。
ドキュメントケースを教えていただいた土橋正さん。改めてありがとうございました。