呼べば応える美しいキーホルダー『Orbit key』が入荷しました。 | docketstore

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2019/12/25 20:29

10年前の冬のある日。

私は岡山県で21時半頃に仕事を終えて、実家のある兵庫県までバイクで帰ってきた。

距離にして約160km。
休憩をはさんで、およそ2時間程度あればたどり着ける距離だ。

バイクで高速道路を2時間走る・・・と聞くとバイクに乗らない方は、寒そう!と思うのではないだろうか。

もちろん、えげつなく寒い。

めいいっぱいの厚着をして、おへその下辺りにホッカイロを貼っても指の先からしびれるような寒さが上がってくる。

たどり着いた頃には指の先はかじかんで感覚を失っているし、ホッカイロで膀胱あたりは温められてるし・・・ということで当然のように、生理現象への衝動が湧き上がってくる。

そう。要するにトイレに行きたい

そそくさとバイクを降りて、マンションのエレベーターに飛び乗り、家族を起こさないように鍵を開け・・・。

「ん?」

そこで異常に気づいた。
いつものポケットに鍵がない・・・。

ヤバい。

コトは一刻を争う。
家族を起こしてしまうのも厭わずインターフォンを鳴らす・・・が、反応がない! 寝てる?

カバンを地面に投げ出し、感覚のないかじかんだ手を片っ端から手を突っ込んでいくが・・・。

「おかしい・・・ない

泣きそうになりながら、カバンを漁り続ける。
どこにしまった? なんでない? 私が何をしたっていうんだ?

湧き上がってくる衝動に冷静さを失いはじめる私。

どこに逃げた?」「いつもそこに入ってるのが当たり前だろ! 裏切ったのか!?」「いや、ごめん」「俺が悪かった

「お願いだから出てきてほしい! 頼むから返事をしてくれ!」


怒りから謝罪、そして懇願へ。

そんなことを口走ったところで鍵が返事をしてくれるわけもなく・・・

その後5分ほど内股で鍵を探し回った結果、ジャケットの肩のあたりについている普段使っていないポケットから鍵が出てきて事なきを得ることはできました。

いつもなら気にならない5分程度の時間。
それが局面によっては致命的なダメージになることを私は学びました(知識としては)。


その冬から10年。

相変わらずいつもと違うところに鍵やスマホを片付けては見つからない! どこだ! ごめんなさい! でてきて!と騒ぎ続けてきた私のもとへ。

オーストラリアのキーホルダーメーカー「あなたの鍵、返事できるようになりましたよ」と言わんばかりに新商品を発表してくれた。

キーホルダーにイノベーションを起こし続けるブランド「Orbitkey (オービットキー)」。

そこが満を持して発表したのが、今回ご紹介するOrbitkey(オービットキー) × Chipolo(チポロ) トラッカーである。

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まずこの商品名のOrbitkey(オービットキー) × Chipolo(チポロ) トラッカーという長い名前。

これは見ての通りOrbitkeyというキーホルダーブランドと、Chiporoというブランドがコラボしたことによって生まれた商品であることを意味している。

このOrbitkeyというブランドから説明させていただきたい。

なんというかこの会社

キーホルダーをイノベーションしてやろうという想いが尋常ではない。


2013年にデザイナーであり起業家のレックスさんと、ジョギングの最中にポケットの中でジャラジャラする鍵にイライラしたことから開発ストーリーは始まる。

友人のチャールズさんとともに解決案をクラウドファンディングにてアップしたところ、1ヶ月で5000人もの賛同を得て製品化にこぎつけたという。

個人的に、このレックスさん。私以上に、鍵に対する不満でなにかトラウマをもっているのではないかと思っている(勝手に)。

それぐらいキーホルダーの構造に対して配慮がなされていることが、私自身1年間使ってみて身に染みてわかった。

鍵に関するイライラを見つけたら解決せずにはいられないのだろう。
やると決めたら徹底的すぎるその姿勢に、私は恐ろしさすら感じた。

そして代表的アイテムであるキーオーガナイザー

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鍵がジャラジャラすることへの不満を解消するため作られたキーオーガナイザー

ジャラジャラしていた鍵がシンプルに収まり、カバンの中で他のものを傷つけたりしないようにもしてくれる。

また、右利きの人でも左利きの人でも扱いやすいように両サイドが意図的に開けられている。

この道具は見た目のシンプルさに反して想像以上にきめ細やかな配慮がされている。

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解体してみるとパーツ構成はこれだけ。非常にシンプルといえる。

しかし、例えばワッシャーと呼ばれる真ん中上のパーツ一つとってもこだわりが見て取れる。

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よくよく見ると少し反り返っているのがわかると思う。

これは、鍵の本数を少なく入れたときでも操作性に緩みがでないように、バネのような役割を果たしている。

これにより標準的な鍵なら最大7本程度収めることもできるし、少ない本数でも動かした際の感触が安定するようになっている。

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加えて、鍵を挟み込むネジにも工夫がなされている。

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ネジの受け側とねじ込む側はそれぞれに長めに作られています。
この構造によって、鍵の量が多い場合はネジの締め具合を浅めに

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ネジが少ない場合はネジの締め具合を深めにすることで、挟む鍵の量に合わせた調整ができるようになっている。

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また、ネジの機構を利用すると勝手に緩んでしまったりすることも心配されるが、そこに関してもOrbitkeyはシンプルな機構で問題をクリアしている。

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キーオーガナイザーの本体のネジ穴の周りについた2つの凸(でっぱり)

そしてネジの側には同様に2つの凹みがある。

この凹凸がネジが半周するごとにカチッと噛み合う。
鍵の収納状態から展開する時の動きの硬さも調整することができますし、勝手に緩んでいくことを防いでくれるようにできている。

他にも別売りのパーツと組み合わせて栓抜きやボルトを締めるのにも使えるマルチツールも展開しているし

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クリップという名前のパーツと組み合わせることでとてもシンプルな見た目のカラビナ付きキーホルダーにしてカバンやベルトループに引っ掛けて持ち歩くこともできる。

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キーホルダーにここまでこだわる必要が果たしてあるのか。

正直そう思うこともある。

でも実際に使ってみると、キーホルダーって昔からこうじゃなかったっけ?・・・と、iphone登場前のガラケーを使ってた自分をあざ笑うかのような感覚に陥ってくる。

使っていて可もなく不可もない。

でもそれって、よほど粘り強く使い心地を考えなければたどり着けない境地なんだと思う。

毎日通勤で歩いている砂利道があったとして。

障害になりそうな小石やゴミをひたすら掃除していった結果、快適に自転車で走れるようになったとしたら。

元の砂利道に戻りたくなんて誰も思わないだろうし、少しでも石が落ちてたら文句を言うだろう。

でも、その障害物を取り除く大変さって、あとから見ても気づけなかったりする。

もっと言えば、自転車で快適に通勤したいから道をきれいにするとかはイメージしやすいけど、鍵のジャラジャラの解決に対してここまで考え抜いたOrbitkeyってほんとクレイジーだと思う。(もちろんいい意味で)

そんな感じ。


さて皆様。

ここからが本題。

そのOrbitkeyが呼べば応える鍵を作った。

それが「Orbitkey(オービットキー) × Chipolo(チポロ) トラッカー」である。

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とてもシンプルな見た目のこの道具。

単体でも使えることは使えるが、先程のOrbitkey キーオーガナイザーにピッタリ入るように設計されている。

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主な機能は2つ

「スマホから鍵(トラッカー)のアラームを鳴らす」
「鍵(トラッカー)からスマホのアラームを鳴らす」

他にもカメラのシャッターを押す機能や鍵をなくした場所をみんなで探せる機能なんかもあるのだけど、メインはなんといってもこの2つ。
下の動画を見ていただくとその機能が理解しやすいと思う。

スマホからだけでなく、鍵からスマホを呼び出せるというのは非常に興味をひかれた。

だいたいモノを失くすとしても、スマホと鍵の両方をいっぺんに失くすことは少ないと思う。

仕事に出かける瞬間にどちらかが手元にあれば、探しもののために慌てなくて済む

Chipolo(チポロ)は確かにこれまでも同様なトラッカーと呼ばれる商品を作ってきていたけれど、個人的にあまり手を出そうとしてこなかった。

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それはOrbitkeyのキーオーガナイザーを手にしてせっかくシンプルに鍵を持ち歩けるようになったのに、今更ジャラジャラとさせたくなかったというのが大きい。

それがこれだけしっかりとコラボしてデザインを合わせてくれたのだからありがたい。

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おまけに電池交換も心配していたが、ボタン電池を自分で交換できるようになっていることもうれしい。

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この手の道具は結構電池交換ができなくて使い捨てになってしまうことも多い。

まあまあ値段も張るものなので、流石に見た目が良くても使い捨てや、コールセンターに電話して送って電池交換・・・というのも邪魔くさい

そして最後に買ってから気づいた嬉しい機能

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iphoneであればアプリの設定で、好きな言葉で鍵のアラームを鳴らすことができるのだ。

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言葉も好きな言葉を選べるので、覚えやすいフレーズを登録しておくといい。

アプリの場所を覚えていなくても、自動で起動してくれるのでそのあたりも楽になる。


10年前

「お願いだから出てきてほしい! 頼むから返事をしてくれ!」


そんな風に叫んでも出てこなかった鍵が。

ついに「ここだよ」と応えてくれる時代に突入したのである。

しかも、日本の冬には常夏のはずのオーストラリアからプロダクトがやってきて、それを自分が販売しているというのもおもしろいなーとおもう。


大変熱くなってしまい、長くなってしまいましたが読んでいただいた皆様。ありがとうございました。

ドケットストアでも通販をスタートしておりますので、興味を持たれた方はぜひお店を覗いて頂ければ幸いです。